一力(横浜市港南区 鎌倉街道・慰霊堂入口交差点そば)
2005年1月15日(土)

「いちりき」と読みます。
上大岡のラーメン屋の中で、ここに言及するのを忘れてたわ。
もともとは、少し離れた場所にあった小料理屋が改装してラーメン屋になったように記憶してます。
で、ラーメン屋になってから少しして、現在の場所(大雄の隣)に移転した、と。
既存のラーメン屋の隣にいきなり商売敵として引っ越して来るわけですから、うわすげーことすんなこの店、
なんて思いましたよ最初は。
で、当初「ゴタゴタいわずに喰って見ろ!」なんてのぼりを出してたりして、期待して行ってみたら
素人の趣味の域を出ない、オヤジの気合いが空回りしてるだけの統一感に乏しいラーメンで
がっかりしたもんです。

その後、思い出したように行ってみるとそのたんびに味が変わってて、あーオヤジ研究してるんだな、
ってのは判りましたが、それほど美味いとも思いませんでした。
で、ここ数年は押しつけっぽい姿勢も無くなり(もともと主人は豪快な見た目とは裏腹に丁寧な人ですが)、
味も安定してきたように感じます。

では、久しぶりに入ってみましょうか。

入口で食券を買いましょう。こってりトンコツスープの「名物」と、トリガラ醤油の「あっさり」の
2本立てメニューになっています。それぞれにチャーシューとかネギなどをトッピング可能。
茹で上がった麺を別皿に盛り、熱いスープで食べる「あつもり」なんてのもあります。
ま、今日はシンプルに「名物ラーメン」630円で行ってみましょう。
カウンターの中ほどに座ります。以前来たときには、奥に小さなテーブルがあったように
記憶していますが、この店は座る場所を店員に指定されてしまうため、今回は確認出来ませんでした。
カウンターの内側では、赤バンダナに黒Tシャツ、白ズボン&前掛けのユニフォームに身を包んだ
店員たちがきびきびと動いてラーメンを作っています。
丼にはまずスープ鍋の中で煮立つアツアツの脂が注がれ、温められながら麺が茹で上がるのを待ちます。
麺の茹で時間はかなり長め。麺が茹だる頃、丼の中の脂は鍋に戻されて替わりにスープが張られます。
出てきました。それでは頂きましょう。

トッピングは海苔3枚、大振りなチャーシュー1枚、味付け玉子半分、小松菜、ネギ、メンマ。
チャッチャッと振られた大量の背脂が目を引くスープは、底はおろか麺すらも見えない濃厚さ。
麺を割り箸の先に突っかけてひと啜り。中細の縮れ麺はしっかりとスープを絡めつつも
むっちりとした歯ごたえで存在感バツグン。なるほど、これだけ腰のある麺だと茹で時間が長めなのも頷ける。
次にスープ。豚骨の濃厚さプラスカツオの香りが強く漂うスープはフルボディ。
塩味はかなり強いが、口の中であっという間に溶けて行く背脂と相まって甘みすら感じるほど。
取り憑かれたように麺とスープのアンサンブルを堪能。
チャーシューは噛みごたえ充分、スープに負けない味付けで具のハイライトとしての存在を主張。
途中、口中の脂っぽさを小松菜とメンマで洗い流し、瞬く間に完食。
小振りに見える丼ですが、なかなか中身は充実しています。お腹いっぱい。

うん、やっと満足の出来る味に仕上がってきたな、この店は。
もともと背脂系のラーメンってなじみが無いからかあまり好きでは無いのですが、
たまに食べるならこの店は悪くないかもな。



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