文子家(横浜市南区永田東)
2006年4月18日(火)

鎌倉街道から国道一号へ抜ける切り通し沿い、首都高狩場線の永田インターを降りて
左に下ったところにある小さな店。
名前に「家」と付き、看板には「とんこつラーメン」と謳ってありますが、
いわゆる「家系」ではありません。
ドアを開けるとカウンターが7席、座敷にはテーブルが4卓、ごく普通の町の中華料理屋です。
入口で食券を買うシステムになっていますので、さてなんにしよ?
とりあえず、ラーメン650円にしてみましょうか。

出てくるまでの間ヒマなので店内を眺めていると、一枚の貼り紙が。
「鮮度を保つの為調味料(ニンニク・生姜・豆板醤)は声をおかけ下さい」だそうです。
微妙な日本語で気付きましたが、どうやら店の人は中国人のようです。
さて、今時珍しい小ぶりな丼に入って出てきたラーメンは、その名の通りトンコツスープ。
「家系」の鶏油を浮かせたスープや、その他濃厚を売りにする背脂チャッチャッ系の
スープに慣らされた感のある昨今、同じくトンコツを使ってはいても、ともすれば「あっさり」と
形容されてしまいそうなシンプルなトンコツスープ。
ですが、一口啜ってみればコクは充分。じっくりと炊かれた時間の長さを思わせる白濁したスープ
(髄ではなく、骨の脂が乳化)に醤油ダレが溶け込んで、茶褐色の香り高い逸品に仕上がっています。
トッピングは海苔が3枚、チャーシューが2枚、小松菜にメンマ。
麺はわずかに縮れた中細でなめらかな口当たり。
若干柔らかく茹で上がっていて、腰が抜けているようにも感じますが、この店は味の濃さ、麺の茹で加減、
スープの脂の多さは調整してもらえるので、自分好みにカスタマイズすればOKでしょう。
もも肉で作られたチャーシューはしっかりと味が付いていて、脂が無い分スープを全身にたたえてジューシー。
海苔を絡めて麺を啜り、口にメンマを放り込んで噛みしめてはスープを味わい、小松菜で口中の脂を流し去って
また麺をひと啜り。大きめに切られた薬味のネギが絶妙な香ばしさで、レンゲの中でスープといいコンビネーション。
見た目には小ぶりな丼ですが、食べ終えてみると結構なボリューム。
今度は5個200円というスペシャルな値段の餃子と、辛口タンタンメンを食べてみることにしようっと。

午後3時から2時間の休憩を挟んで、深夜2時まで営業しているので夜中に食いたくなった時には便利かも。



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