麺屋壺(草加市金明町 東武伊勢崎線新田駅前)
2006年7月13日(木)

生活の場所を横浜から草加に変えたとて、まだまだ続くラーメン行脚。
今回は最寄り駅である、東武伊勢崎線新田駅前のこの店。
博多長浜らーめんと銘打った看板と、ほら入って来いやと言わんばかりに
開け放たれた引き戸という店構えに誘い込まれるように店内へ。

思ったよりも大人しく真面目そうな若い兄ちゃんと姉ちゃんが迎えてくれます。
メニューにはつけ麺やたんたん麺などもありますが、やはりここは博多長浜らーめん600円を。
カウンターには紅生姜、生の粒ニンニク&ガーリックプレス、辛子高菜に味付けもやし。
すべて自由に入れてくれ、とのことです。ふとっぱらだぜ兄さん。

皿に載せられて出てきた丼の中は、まごうことなき九州豚骨ラーメン。
白く乳化した豚骨スープに極細ストレート麺、キクラゲに青ネギ。
どれどれ、とりあえずオレがラーメン食うときのメソッドに基づいて、まずはスープを一口。
ふむ、程良い褐色、まろやかな口当たりの中に「おや?」 と思う程度に骨が自己主張している。
東京近郊に店を構える博多系の中では濃厚な部類に入るこのスープ、深いコクの中に実に太い芯と豊かな丸味を併せ持つ。
次は麺なんですよダンナ。おもむろに箸の先に突っかけて、つっと持ち上げたら軽く吹いて冷まし、啜り込む。
硬さと芯が残る程度に茹でられた麺が却ってスープと良く調和し、無意識に次のひと箸へとカラダが動く。
この店の麺の茹で加減は「やわらかめ・普通・硬め・ばりかた・はりがね」の5段階。
普通でも硬めになっているようです。ばりかたなんて結構硬いぞ。
ちなみに、この麺は博多から空輸しているそうで、ラーメンは一日200食限定、麺が切れたら終わりとか。

さて、スープ−麺−スープ−麺というブレイクビーツの合間に具を挟んで食して行くのがオレスティーロなわけですが
博多ラーメンの場合はメンマやほうれん草ではなくこれになります、そうキクラゲ。
繊切りにされたキクラゲは歯ごたえが実に良く、脂っぽくなりがちな口の中を洗浄してくれます。
いやいやいや、博多ラーメンならネギを忘れちゃイカンでしょ、ネギを。
お? この店ではネギはネギでもこうとうネギではなく、もう少し太い物を使っているようです。
ネギ独特の香りと刺激、そして歯触りが最高。やっぱりネギの醍醐味はこの臭みだよなぁ。
ここで体勢を立て直し、よしっ、と気合いを入れてスープと麺の対決する戦場へ再び赴く!
もちろん替え玉をするわけですよ(100円、でも今は1個目はサービスしてくれる)、ばりかたでねっ!

ここでは替え玉はしっかり湯を切って皿に盛ってくれる(しかもネギも散らしてくれるよチクショーッ)ので
あまりスープが薄まることもないのですが、複数個替え玉したりして薄まっても、カウンターに常備されている
元ダレを足せば最後まで美味しく頂けます。

替え玉したら薬味を載せる。あまりごてごて載せるのもせっかくのラーメンのオリジナルの味が判らなくなっちゃう
(だって今日この店初めてだしさ)し、レンゲに載せてちまちま食べることにしましょうか。
辛子高菜はその名の通りしっかり辛いけど、独特の香りが病みつきに。
味付けもやしは油も使ってあるのでこってりしていて、もやしと侮る無かれなかなかの充実感。
しかしこりゃ、うまかもんばかりですな!(ニセ九州弁)
さーて、麺も食べ終わったしスープもあとわずか…。
そうそう、チャーシューは一番最後に食べる派なんだよね、オレ。
貧乏くさいとかしみったれめとか言わないで下さい。小学校2年生の頃からそうなんで今さら治りません。
それでは雑音を気にせずにぱくっ。
おおお、薄味ながら柔らかくとろけるこのバラ肉はまさに絶品。
残ったスープと一緒に食す。口の中で溶け合う豚の脂と肉と骨の旨味ったらねえ、アンタ。
丼を両手で持ち上げて直にゴクッと飲み干し、ふぅと一息ついてごちそうさま。。
お、やはり濃厚さゆえ、この店も丼の底にうっすらと骨粉が溜まってます。

なかなか本格的な博多ラーメンに出会えた。
埼玉も捨てたもんじゃないな(暴言)。

…と思ってたら閉店しちまった!
なんてこった! Shit!



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