横浜ラーメン 大和家(越谷市西方)
2011年10月24日(月)
近所の家系(といっても4km少々離れているが)である壱成家は確かに不味いことは無いし、柔らかでまろくてこっちの方が美味しい、という人もいるとは思うけれど、どうも最近、しっかりとした豚骨の臭いのする家が喰いたくて仕方がない。


そこで色々調べてみると、壱成家からさらに足を延ばしたところに、一軒家系のラーメン屋を見つけたので、チャリで行ってみることにした。
ジーンズの右足を膝下まで捲り上げて、ロードバイクに跨がってシャカシャカ、シャーッ。
R4バイパスを横断して日光街道に出て、武蔵野線のガードをくぐってさらに北へ。
壱成家を過ぎて、瓦曽根二丁目南の交差点を右に折れる。
さて、店の場所は細かく覚えてこなかったので、どこかでスマホで検索しよう、と思ってチャリを走らせていたら、この道で合ってたらしく左手に店が見えてきた。

引き戸を開けて店内に入ると、さっそく漂う強い豚骨臭。これこれ、この香りに包まれたかったんだよ!
店内は明るく清潔で、8人ほど座ることができるカウンターの他、4人掛けのボックス席も3つある。
お客さんも家系といえばおなじみの若い男性、肉体労働者風の作業着ブラザーズだけではなく、近所のおばちゃん的な感じの女性だけのグループなど、割と「町の食堂」のような客層。

メニューを見ると、定番といえるポジションにあるのが店名の付いた「大和家ラーメン」のようなので、それを頼む。
麺は太麺と細麺が選べるというので、頭の中にある家系ラーメンを堪能するべく太麺を選択、お腹が空いていたので100円プラスして大盛り(1.5玉)にし、硬めの茹で具合でオーダー。麺の増量は2玉の「特盛り」にしても同じ100円増しなので、腹ぺこ族には有り難い。


出来上がるまで店に貼られた品書きの短冊を見回すと、魚系の脂と背脂を使った「新風ラーメン」の他、正統な家系では珍しい「野菜のせ」や「にんにく」「岩のり」などのトッピング系、辛味を効かせたラーメンなど、オリジナリティを目指したメニューが並ぶ。
さて、ご主人が丁寧に湯切りして作ってくれた、ラーメンが出てきた。

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口当たりや風味は豚骨を使ったオーソドックスな家系の味だけど、随や脂による白濁加減が薄めで、透明感さえ感じさせるスープ。
これまた家系の具には珍しいメンマが載っていることから、若干支那そば、中華そばよりのビジュアルを意識しているのか。
やや縮れた黄色い麺はしっかりした歯ごたえで、噛みしめると中華麺特有の風味が広がって濃い味のスープに負けない。
それでいて滑らかでツルツルとスムースな素晴らしい出来映え。
再びスープを啜る。うん、やっぱり豚骨の家系は美味い、説得力があるよな、なんだか。
合間にほうれん草を口に放り込み、麺を1/3ほど残したところでチャーシューを。
これまた出しゃばらずバランスを壊さない、シンプルで柔らかな煮豚。
家系のチャーシューは、どうかするとしょっぱすぎる味付けの店もあるんだが、ここのはそれほどでも無くて美味しい。

完食して、おかみさん(ご主人の奥さんだろうか)に声を掛けて、お勘定してもらうと、冷凍庫から箱を取り出して、「お一つ食後にどうぞ」という。
中を見ると、一つずつ個装されたエスキモーのアイス「ピノ」が。
焼肉のあとにくれるミント味のキャンディーじゃあるまいし、特にラーメンのあとにアイスってのも必要を感じた事なんて無いけれど、でもやっぱりこういうのは嬉しいね。

そして、先に店を出た客の丼を片付けに調理場から出てきていたご主人に「ごちそうさま」というと、笑顔で「またどうぞ」と言いながら片手に丼を持ったまま、もう片方の手で引き戸を開けて送り出してくれた。

こういう細やかな心遣いが自然体で出来るご主人だからこそ、美味しいラーメンが作れるんだろうな。


月〜土 11:00〜15:00、17:00〜22:00
日・祝  11:00〜22:00

火曜定休

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